万博最終日、ニュースを見ながら実家から去っていく

朝の光がカーテン越しに差し込む頃、私は実家の居間でぼんやりとテレビを見ていました。画面には「万博、最終日を迎える」という見出しが流れ、賑やかな会場の様子が映し出されています。人々の笑顔、風に揺れる万国旗、そしてスローモーションで映される閉会式のリハーサル。まるで映画のワンシーンのようでした。


コーヒーを飲みながら、そのニュースを眺めていた私は、ふと、自分がこれから家を出ていくという事実と重ね合わせてしまいました。万博の終わりと、私の実家滞在の終わり。どちらも、一つの時間が静かに幕を閉じるような感覚があります。

思えば、実家に戻っていたこの数日間は、懐かしさと少しの居心地の悪さが入り混じった、不思議な時間でした。壁に掛かった古いカレンダー、引き出しの奥から出てきた学生時代のノート、母が作る煮物の匂い——それら一つ一つが、時間の流れを感じさせました。

スーツケースを引きずりながら玄関を出ると、秋の風が肌に触れました。どこかで金木犀が香っています。駅までの道すがら、スマートフォンで再びニュースを開くと、「万博、ついに閉幕」という速報が目に入りました。

こうして私は、万博の終わりとともに、また日常へと戻っていきます。テレビ画面の中も、私の現実も、それぞれの時間を確かに進めていました。

お気軽に共感した方はまた読みに来てください!では、また会いましょう!

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